地域の森にスポットライトを
森林セラピーの認定は2006年から始まり、現在では北海道から沖縄まで60ヶ所以上の森が認定されています。
ゆたかな自然を活かした観光・町おこしのひとつとして、また地域に住む方々の健康増進に役立つ交流と活性の場所として、各地域で森林セラピーが導入されています。
認定の条件
森林セラピー基地の認定を受けるには、
道幅が広く緩やかな傾斜で、歩きやすい散策路が2本以上
滞在・宿泊施設
が必要です。 森林セラピーロードの場合は、道幅が広く緩やかな傾斜で、歩きやすい散策路が1本以上あれば認定審査を受けることができます。
審査では、リラックス効果の実験結果、自然・社会条件等の評価、(基地の場合)滞在型施設面等の評価によって審議され、適否が決定します。
活用事例
観光庁における観光地域づくり事例集(観光地域づくり事例集2015~日本を元気にする地域の力~)に森林セラピー基地の長野県上松町・鳥取県智頭町が掲載されています。
第三章 多様な分野との連携(その他多様な地域づくりとの連携)P134-137 PDFファイル
認定までの流れ
1月末日 | 申請書の受付締切 |
2~3月 | 一次審査(書類選考) |
4月 | 一次審査の結果発表 |
4~5月 | フィールド生理・心理実験のご契約 |
5~6月 | 現地調査(実験場所の下見) |
7~10月 | フィールド生理実験の実施 |
2~3月 | フィールド生理実験の結果報告 |
2~3月 | 第二次審査(実験結果を踏まえ選考) |
3月下旬 | 認定発表 |
森林セラピー基地・ロードの認定基準
自然社会条件等の評価 | |
五感に働きかける良好な自然環境 | 感覚的評価が良好である |
自然の豊かさが感じられる | |
有害汚染物質が無いこと | |
優良な自然環境の維持・保護制度に配慮していること | |
環境、施設等の整備状況 | セラピーロード等の設定状況・管理状態が優れていること |
施設等周辺の森林が良好に整備されていること | |
休憩・体験施設等が整備されていること。身障者等弱者に配慮した整備がなされていること | |
安全管理体制、医療機関等が整備されていること | |
当該地へのアクセス等立地条件 | 立地条件を踏まえて、適切な誘客圏を想定している、或いは立地条件を踏まえた地域の位置付けをしていること |
自家用車による訪問に対する配慮がなされていること | |
駐車場が整備されていること |
滞在施設面等の評価 | |
管理実態 | 全体整備等を行うことが出来る事務局体制が確立されていること |
行政組織の推進体制が確立されていること | |
森林施設等の管理実態が明確にされ、適切に運営されていること | |
地域住民の協力体制が確立されていること | |
森林セラピーメニュー | 森林セラピーに関するメニュー提供の方針が明示されていること |
フィールドでの具体的なメニューが提示されていること | |
宿泊施設等におけるメニューが提示されていること | |
保健・医療的側面からのメニューが提示されていること | |
地域住民の受け入れ態勢 | サービスの提供体制が整備されていること |
ワンストップ窓口が整備されていること | |
森林セラピーガイドの配置があること | |
将来構想、持続性・発展性 | 短期的(1~3年)、長期的(5年以降)に将来的計画が樹立されていること |
継続性・発展性ある推進体制が整備されていること | |
広告宣伝等情報発信の対策が立てられていること | |
発展性ある推進体制が構築されているか(担い手の育成等に対する取り組みが準備されていること | |
セールスポイント | 地域の特色を活かした魅力ある森林セラピーの提案が具体的に記載されていること |
上記の認定基準は、認定後の計画部分に対しても有効です。
実験内容
主に以下のような内容の実験を行っています。(状況により項目の変更あり)
生理測定項目 | 1.心拍変動性(HRV) 2.血圧・脈拍数 心拍の揺らぎを解析することにより、自律神経活動を①副交感神経活動(リラックス時に昂進)と、 ②交感神経活動(ストレス時に昂進)に分けて数値化し、③収縮期血圧、④拡張期血圧、⑤心拍数、⑥脈拍数を測定します。 血圧・脈拍数はストレスがかかると上昇します。 |
心理測定項目(主観評価) | 1.気分プロフィール検査(POMS) 2.SD法(森の印象を評価する) 3.ストレス度の評価 4.リラックス度の評価 |